読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

プールで泳ぎたい - イン・ザ・プール (文春文庫)奥田 英朗

イン・ザ・プール (文春文庫)

 

イン・ザ・プール」を読んだ。

めちゃくちゃ面白かったので「イン・ザ・プール」を読んでいる途中で、続編の「空中ブランコ」を買った。

イン・ザ・プール」を読み終えるやいなや、「空中ブランコ」を一気に読んだ。「空中ブランコ」もとても面白かった。

さらに続編の「町長選挙」はまだ読んでいない。さすがに2作一気に読むと、展開に飽きてしまった。

 

どんな話なのかはAmazonのレビューを見てもらえればわかると思う。

 

へんてこな精神科医にさんざん振り回された結果、

患者自身気が付かないうちにその病気が治ってしまう、

というユーモアたっぷりの話。

どの話もおもしろいのだが、

私は携帯電話依存症の高校生の話が印象深い。

誰もが携帯電話を持つようになった時代、

この便利な道具なしの生活はもはや考えられなくなった。

それを考えた時、

携帯電話を失いパニックに陥り狼狽する高校生の姿は、

笑って読んでいるだけでは済まされなくなってくる。

(セクシーな看護婦についてもこの話では、

かなりいい感じで描かれています。

毎回一気に読みきれる分量なので、

忙しい人でも気楽に読めると思います。) 

 

筋立ては、良くも悪くもテレビ的。

何も考えずにどんどん読めます。

伊良部が意図せず患者が勝手に治っていく。

どのストーリーも面白いです。

通勤の電車の苦痛をやわらげてくれる一冊でした。 

 

神経科医の伊良部一郎には、医者としての美徳がない。それどころか、社会人の適性があるかどうかも疑わしい。無邪気かつ無責任な言動に、患者は振り回されっぱなし。しかし、気がつけば治療されている。伊良部は患者の話を聞いてないようで聞いているし、診ていないようで診ているのだ(ただ、あまり考えてはいない模様)。そんな伊良部と5人の患者の物語。

どの話を読んでも笑ってしまうが、緻密に描かれた患者の様子には怖さも感じる。似た症状の人が、読者の近くにいるかもしれない(私の場合「コンパニオン」「フレンズ」がそうだった)。文章のテンポが良く、肩肘張らずに楽しく読める作品。

 

読書好きの同僚に「イン・ザ・プール」が面白かった、という話をしたら、彼も「イン・ザ・プール」を読んだことがあり、床をどつきながら笑ったそうだ。

そして「イン・ザ・プール」同様に、床をどつきながら笑ったという、松尾スズキの「老人賭博」を紹介してもらった。

同じように「イン・ザ・プール」を面白いと感じた彼が、それだけ面白いと言っている本。ぜひとも読みたい。

今読んでいる本、これから読もうと思って買った本5冊を読み終え、「町長選挙」を読み終わったあとに、これを読もうと思う。

 

*

 

僕は「イン・ザ・プール」を読んで、とてもプールで泳ぎたくなったよ!

プールで泳ぐとどんなに気持ちいいだろう、と思いながら読んだよ!

実際、近所のスポーツジムに泳ぎに行ったよ!

きっと君もプールで泳ぎたくなるよ!

 

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)