読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

おっさんも3匹寄れば… - 三匹のおっさん (文春文庫)有川 浩

今年、2014年の1月からドラマ化された事でも有名な三匹のおっさんは、アラ還というおっさんのなかでもおっさんな世代が巻き起こす痛快な事件の数々を記した小説である。

「ジジイと呼ぶな、おっさんと呼べ」
と語る三人は、定年を迎え、自らの場所を探すべく自警団を発足する。

おっさんと言えども元は悪ガキ三人組。しかも剣道と柔道の達人に頭脳明晰な男が一人とその中身は非常に濃く、町の小さな悪党たちをおっさん三人がなぎ倒していく様は、見ていて小気味よく、また、こんな年のとり方をしたいと唸ってしまう。

年を重ね、待っている老後は常に希望に満ちたものとは限らない。
主人公の精一も同じで、剣道の道場を閉めることになり、家庭内では嫁姑問題に素行のあまりよろしくない孫に囲まれる。
それは夢見ていた自分のアラ還像とは違っていただろう。

それでも、まだ還暦なのだ。
やりたい、前を向きたい、立ち上がりたい。その気持ちがあればなんだってできる。

こんなおっさん達に出来るのである。
彼らから見た20代、30代、40代、50代の若造に出来ないことなどあるのだろうか?

出来ることなら僕もおっさん達に笑われないように、誰かの力に頼るのではなく自分の力で子や孫が自慢に思えるアラ還を迎えたい。

 

三匹のおっさん (文春文庫)

三匹のおっさん (文春文庫)