読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

宣伝はすべてファン、お客様への心づかい - サマンサタバサ 世界ブランドをつくる(日本経済新聞社出版局)寺田 和正

サマンサタバサ 世界ブランドをつくる

「サマンサタバサ」といえばバッグのブランドですね。
現・代表取締役会長兼社長の寺田和正という人が、「海外の一流ブランドに肩を並べるファッションブランドを日本にも作りたい」という一心で1994年に創業しました。

なので、外国のブランドと誤解している人も多いそうなのですが、実は純粋な日本発のブランドなんです。

今年で創業から20年になりますが、その間にバッグからジュエリー、アパレル、シューズ、スイーツ…とアイテムの幅は広がり、社員数約1,400人、売上高280億円、営業利益18億円(いずれも連結・2014年2月期予想)という規模の企業へと育ちました。

この本は、寺田さん自身が2007年に執筆したもので、
自身のブランド観、経営理念、起業のいきさつなどについて語っています。

著書の中で寺田さんは、良いブランドを育てるために必要な要素として
4つの項目をピックアップし、それぞれについて熱く語っています。
(1)良いもの(=商品戦略)
(2)良い人 (=人材育成)
(3)良い宣伝(=プロモーション)
(4)良い場所(=立地戦略)

何ともざっくりした言葉ですが、この4つのキーワードを愚直に追及することが、ブランドを育てる道だと寺田さんは説いています。

その中で、「良い宣伝」について語っている章の中に、
「そんな考え方の宣伝もあるのか」と感じた記述があるので紹介しておきます。

ヒルトン姉妹(パリス&ニッキー)、ビヨンセヴィクトリア・ベッカムマリア・シャラポワ、ティンズリー・モティマー、サラ・ジェシカ・パーカーイ・ビョンホン蛯原友里さん…
こうした人々とともに、サマンサタバサは宣伝ビジュアルをつくるようになりました。これはショップに飾られたり、看板や雑誌に掲載されたりするものです。

ただし私は、こうしたことが厳密な意味での宣伝だとは思っていません。
また、こうしたビジュアルによって売り上げを伸ばすつもりは
まったくありません。

(中略)

サマンサタバサのファンでいてくださる方々にとって、例えばビヨンセが同じバッグを持って写真に写っていたり、テレビカメラの前に立っていたりすると、やっぱりうれしいものじゃないですか。そうした“喜びのサプライズ”を提供できればな、と思っているんです。

(中略)

宣伝はすべて、サマンサタバサのファンであったり、少しでも私たちの商品を意識してくれるお客様への心づかいなんです。
(第5章「良い宣伝は、お客さまを喜ばせてこそ」より)

ちなみに、2012年からはミランダ・カーを起用しているみたいですね。

興味があれば、ぜひ読んでみてください。