「慣習や常識にとらわれず、柔軟に考える」ということ - 『経済ってそういうことだったのか会議』『トヨタ生産方式』
『経済ってそういうことだったのか会議』、『トヨタ生産方式』の2冊を紹介します。
ここで取り上げたいテーマはズバリ、「ニーズからの出発」です。
まず『経済ってそういうことだったのか会議』229ページに、ソビエト型とアジア型の産業の違いを表した面白いイラストがありました。
この本によると、ソビエト型を「前方連環」、アジア型を「後方連環」と呼ぶそうですが、まさにこの「後方連環」の考え方で成功したのがトヨタの有名な「カンバン方式」です。
自動車は、生産ラインの前行程から後行程に向けて、だんだん部品が組み立てられていきますよね。だから、当然ですが「前行程で作った部品を後行程に供給する」と流れで生産されていました。しかし、この流れではどうしても部品の作り過ぎや供給するタイミングのズレがあり、それらが無駄なコストとなっていたのです。
そこで…ここからは『トヨタ生産方式』を引用します。
(第5章「良い宣伝は、お客さまを喜ばせてこそ」より)
「この生産の流れを逆に見てみた。いま『後行程が前行程に、必要なものを、必要なとき、必要なだけ引き取りに行く』と考えてみたらどうか。そうすれば『前行程は引き取られた分だけつくればよい』ではないか。」
(11ページ)
さて、ここからが本題。
普段の業務で、「これ必要かな?」と感じる作業はありませんか? 「取りあえず上から言われたからやってます」というのも結構ですが、できれば、その作業がどんなニーズ(必要性)から生まれたのかを考えてみましょう。すると、意外と無駄だったり、形を変えた方が良かったり、ということがあるものです。
例えば、どんな会社にも「会議」というものがありますが、これを上の「ソビエト型」「アジア型」に当てはめて考えてみると…
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【ソビエト型】
定例だから会議をやる → 何を話し合おう…?
【アジア型】
●●という課題について早急に意見交換が必要 → 該当メンバーを集めて会議
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どちらが効率的かは一目瞭然ですね。
最後に一言。
「ニーズからの出発」を実践するために必要不可欠なものは「慣習や常識にとらわれず、柔軟に考える」ということです。