論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング(一声社)三森 ゆりか
皆さん、こんな経験はありませんか?
◆何となく会話が噛み合わないまま仕事を進めた結果、トラブルになった
◆会議で議論しても、論点がよくわからず、アバウトな話で終わる
◆部下に説教してもイマイチ響かない
◆英語が話せない
上の4つの項目は、一見、何の関連もないように思えますが、
実はすべて日本人特有の「コミュニケーション下手」に起因するものです。
この本は、物事を論理的に考え、それを的確に表現するスキルを磨くことで上記のような「コミュニケーション下手」を解消しようというのが主旨です。
サブタイトルに「親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング」とあるように、本来は子育てをする親のために書かれた本ですが、むしろ大人にこそ必要なトレーニングだと思われます。
日本人のコミュニケーションでよく見られる問題点について、本の中では主に以下のような項目を挙げています。
●主語が曖昧なまま話をする
●「Yes/No」「賛成/反対」を明確にしないまま話が進む
●曖昧な質問をしてしまい、結果的に噛み合わない答えが返ってくる
●「あれ」「それ」「みんな」「とか」など、曖昧な指示語が多い
これらは、日本の文化から生まれた日本語の構造にも原因があるので一概に「悪い」というわけではないのですが、ビジネスの現場では支障をきたすこともよくあります。
では普段の会話で、具体的にどのようなことを心がければよいのでしょうか。
詳細は本に書かれているので、簡潔に挙げると…
●多少くどくなっても「主語(誰が・何が)」と「目的語(誰に・誰を・何に・何を)」は意識して言う
●最初に立場を明確に伝えてから理由を述べる→「私は反対です。なぜなら~~~~」
●質問をするときは、「5W1H」の中のどれを聞きたいのかを明確に
●相手の話を聞くときは、「事実」の部分と「意見」の部分をしっかり聞き分ける
最後に、相手に自分の意見を伝えたいときに便利な「ナンバーリング」という技をご紹介しておきます。
(詳細は本著156ページ参照)
これは、意見を言う前に「これから、どのようなことを、何個話すのか」を伝えるというものです。
ナンバーリングをすることによって、聞く側は頭の整理ができ、自分の意見を理解してもらいやすい、というメリットがあります。
「今後、注意してほしいことが2つあります。~~~~」
「良い話が1つ、悪い話が2つあるんだけど、~~~~」
「私は反対です。理由は3つあって~~~~」
ぜひ、普段の会話に取り入れてみてください。
論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング
- 作者: 三森ゆりか
- 出版社/メーカー: 一声社
- 発売日: 2002/01
- メディア: 単行本
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