淡々とドライすぎず甘すぎず深くやさしく幸福な詩 - プーさんの鼻 (文春文庫) 俵 万智
半分くらい読んだ。
最後まで読んだら、もう一度読み返そうと思っている。
俵万智といえばサラダ記念日だが、それよりも甘ったるくなくて、良い。
淡々と読まれた詩は、深く静かで優しく、幸福感が伝わる。
生まれてくる息子に詠んだもの、結婚する弟に詠んだもの、息子の成長を見守りながら詠んだもの。
気に入った詩には付箋を貼った。
しばらく読み進めたあとで、さっきのあの詩よかったな、付箋を貼っておけばよかった、と思ったものもある。
もう一度読み返したときは、それに付箋を貼ろうと思う。
読みやすく覚えやすくて感じよく平凡すぎず非凡すぎぬ名
私から生まれ私に似ているが私ではない私のむすこ
一人遊びしつつ時おり我を見るいつでもいるよ大丈夫だよ
祖母と母いさかう夜の食卓に子は近づかずひとり遊びす
内容紹介
短歌は、私のなかから生まれるのではない、私と愛しい人とのあいだに生まれるのだ―新しい生命を授かり、育てる喜びに満ちた日々。一日一日変化していく子どもの成長を追いかけ、初めの一歩の驚きを、言葉の反射神経を使って三十一文字に刻む。子ども・家族・恋人、愛しい人と生命を詠った三百四十四首。