読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

切ない心情が繊細な言葉で書かれた物語 - 乳房 (講談社文庫)伊集院 静

『乳房』伊集院静108円(中古・ブックオフ)。 切ない心情が繊細な言葉で書かれた物語が読みたくなって探した。いろんな検索キーワードを駆使して辿りついたのがこれだった。(どの記事に載っていたか、どんな風に紹介されていたかは忘れてしまった) 短編5…

論理的に考える力を引き出す―親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング(一声社)三森 ゆりか

皆さん、こんな経験はありませんか?◆何となく会話が噛み合わないまま仕事を進めた結果、トラブルになった◆会議で議論しても、論点がよくわからず、アバウトな話で終わる◆部下に説教してもイマイチ響かない◆英語が話せない 上の4つの項目は、一見、何の関連…

日経新聞と日経流通新聞(日経MJ)

新聞を紹介します。日経新聞と日経流通新聞(日経MJ)です。 新聞は知識とアイデアの宝庫。というわけで、現在購読している2つの新聞をご紹介します。 ===================================================== ●日本経済新聞 いわずと知れた、日本を代表する…

すぐ「ブラック企業」とか呼ぶけど - 督促OL 修行日記 (文春文庫)榎本 まみ

ちょっと前に話題になったのでご存知の方もいると思いますが、クレジットカードなどの督促を請け負っている会社に新卒で入社した著者が、もがき苦しみながらも一人前になっていく様子を紹介している本です。 カバー裏には、こんな紹介文が書かれています。 …

仕事のふとした時に役立つ言葉 - 電通「鬼十則」 (PHP文庫)植田 正也

電通『鬼十則』。電通の4代目社長、吉田秀雄という人が作った「仕事の哲学」とでもいうもので、広告業界に限らず様々な業界の人にバイブルとして読まれてきたものです。 その十則に対して、著者である大学教授が長々と解説を加える形で本は書かれているので…

モノやサービスの値段がどのような原理で上がり下がりするのか、を知る - 「値段」でわかる日本経済 (日経ビジネス人文庫)日本経済新聞社

「値段でわかる日本経済」という本をご紹介します。日本経済新聞社の中で、様々なモノの値段を調査している部署が中心となって執筆したものです。 タイトルの通り、値段の動きから日本や世界の経済的な背景を読み解こうとする内容で、食料品から電気製品、通…

パワポの使い方を1見開きで解説 - 他人に聞けない「パワーポイント」超★活用法 (中経の文庫)国本温子

『他人に聞けない パワーポイント超・活用術』をご紹介します。タイトルの通り、パワーポイントの使い方をレクチャーしている本です。2008年に出た本なので、扱っているバージョンがパワポ2007なんですが、2010とかへの汎用も効く内容だと思います。 大まか…

具体的なプロセスが詳細に書かれている - 新版 戦略PR 空気をつくる。世論で売る。 (アスキー新書)本田 哲也

著者はブルーカレント・ジャパンという、マーケティングPRを手がける企業の代表で、日本で“PR”をマーケティングに取り入れた先駆者的な人です(だそうです)。 サブタイトルの「空気をつくる。世論で売る。」という言葉通り、広告による商品の訴求ではなく、…

素朴な疑問に読売新聞が答える - 雑学新聞―身のまわりの疑問を徹底取材! (PHP文庫)読売新聞大阪編集局

これは読売新聞大阪本社の執筆によるもので、普段何げなく抱いている素朴な疑問に読売新聞が答える、というもの。 もともと読売新聞の夕刊に、読者から寄せられた様々な日常の疑問に答える「もの知り百科」という連載コーナーがあったのですが、その記事を1…

「慣習や常識にとらわれず、柔軟に考える」ということ - 『経済ってそういうことだったのか会議』『トヨタ生産方式』

『経済ってそういうことだったのか会議』、『トヨタ生産方式』の2冊を紹介します。ここで取り上げたいテーマはズバリ、「ニーズからの出発」です。 経済ってそういうことだったのか会議 (日経ビジネス人文庫) 作者: 佐藤雅彦,竹中平蔵 出版社/メーカー: 日本…

数字の背景を理解しよう - ビジネスマンのための「数字力」養成講座 (ディスカヴァー携書)小宮 一慶

普段、会社で色々な数字を意識していると思います。売上、粗利、仕入れ、営業利益、ノルマ、経費など、会社の業績に関わる数字のほか、媒体の発行部数、WEBのユーザー数、クライアントの業種の市場規模、株価、為替相場といった社会的な背景についての数字ま…

宣伝はすべてファン、お客様への心づかい - サマンサタバサ 世界ブランドをつくる(日本経済新聞社出版局)寺田 和正

「サマンサタバサ」といえばバッグのブランドですね。現・代表取締役会長兼社長の寺田和正という人が、「海外の一流ブランドに肩を並べるファッションブランドを日本にも作りたい」という一心で1994年に創業しました。 なので、外国のブランドと誤解している…

これからの「消費」を読み解くヒント - キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)佐々木 俊尚

「キュレーションの時代」という本を紹介します。著者は佐々木俊尚という、フリーのITジャーナリストです。 ところで、「キュレーター」という言葉を聞いたことはありますか?元々は、博物館・美術館などの施設で、展示品の収集・管理・研究などを行う専門職…

ガイアの夜明け:『未来へ翔けろ』と『不屈の100人』

ガイアの夜明け」というテレビ番組をご存じでしょうか。関東ならテレビ東京、関西ならテレビ大阪で毎週火曜日22時から放送されている経済ドキュメンタリーです。 毎回、ビジネスの現場に密着し、業界の裏側や社員の奮闘ぶりをリアルに伝えています。そんな番…

課長になったのに - そうか、君は課長になったのか。 (WAVE出版)佐々木常夫

次の人事で課長になると思っていた。なれなかった。主任になった。課長になれば買おうと思っていた本がある。「そうか、君は課長になったのか」だ。確実に課長になるものだと思っていたので、この本も確実に買うものだと思っていた。課長にはなれなかったが…

絶対買おう - 俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)三谷 幸喜

いつか買いたいなと思って、本屋に寄るたびに探していた。Amazonで買えばいいんだけど、一度ぱらっと立ち読みぐらいしてから買いたい。なかなか置いている本屋はないだろうと踏んでいたけど、本当になかなかない。京阪モールの紀伊国屋書店で見つけたときは…

声がでかいだけで出世するやつもいれば、その逆もある。 - ナガオカケンメイの考え (新潮文庫)ナガオカ ケンメイ

川合俊一の話。日本代表の補欠メンバーだった彼は、ある試合で、怪我をしたエース選手の交代で出場した。川合俊一はとにかく声を出そうと、あまり何もしてないのに「ヨッシャー!」などと声を張り上げていた。エース選手のけがの手当か何かで試合の様子をち…

スタンプが景品に変わるまで - 本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)穂村 弘

水泳、バスケ、空手、ラグビー、ダンス思い返せば、小学校入学から大学を卒業するまで、途切れること無く何かしらの運動をしていた。そのおかげで、学生時代はたいへん引き締まった体をしていた。大学を卒業してから全く運動をしなくなったが、しばらくは宴…

僕のしごと - 国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」(日本経済新聞出版社)岩谷 誠治

仕事、約束、会計。この三位一体を一冊で学べる本書は、まさに「国語算数理科社会」の「社会」をおきかえる教科書となりうる。本書の内容を、小学校で教えて欲しい。中途半端に英語を教えるよりはずっと簡単で、そして得るものは大きいのだから。(仕事、約…

一流に触れる - 達人に訊け! (新潮文庫)ビートたけし

僕は普段、社内のパソコンの前に座って作業をしている。デスクワーク。人と話したりする機会は少ない。 だからこんな風に、“すごい人”の考え方を、本ででも得られるのはとても貴重なことのように思う。 ビートたけしとその道のプロ。活躍の場は違えど、一流…

今をいきる - 新・片づけ術「断捨離」(マガジンハウス)やました ひでこ

時間軸は今。主役はモノではなく、自分。 過去の思い出にすがることも、来るかもわからない未来のためにストックすることも、馬鹿馬鹿しい。 とりあえず、いつか使おうと思って置いていた、頂き物の食器を使うことから始めよう。 新・片づけ術「断捨離」 作…

初体験 - 伊豆の踊子 (新潮文庫)川端 康成

中学の時に、読書感想文の題材として読んだ。内容は覚えていないけど、全部読めて嬉しかった、ということだけ記憶に残っている。 これが読みやすかったのか、その時の自分のモチベーションが高かったのか。それまでも何度か読書感想文の宿題が出て、その度に…

人のせい - 芸術ぎらい(Kindle版)太宰 治

工芸高校のオープンキャンパスに行った。 一通り校内を見学したあと、授業の体験があった。内容は、貼り絵の作品を作ること。ポストカードサイズの紙に、切ったり、ちぎったりした紙を貼っていく。 テーマは「夢」。何も思い浮かばなかった。僕が「夢」につ…

せっかくのタイミング - 国境の南、太陽の西 (講談社文庫)村上 春樹

「国境の南、太陽の西」を立ち読みした。 今まで村上春樹の作品をいくつも読んだが、ほとんど途中でやめてしまっている。最後まで読めた作品でも、面白かったものはひとつもない。なのに、何度も違う作品を買っては読もうとする。何故、彼がそんなに人気があ…

自分で買って読む - イニシエーション・ラブ (文春文庫)乾 くるみ

「おもしろいから是非読んで」と言って、上司が貸してくれました。上司はそれをかなり気に入っている様子で、僕以外にも数人に貸したあとでした。「絶対に最後のページから読むなよ」という、面白く読むためのアドバイスもいただきました。 その時、ちょうど…

『クマのプーさん』で老荘思想を理解 - クマのプーさんの「のんびり」タオ (講談社プラスアルファ文庫)ベンジャミン ホフ

この本は、世界的に有名なあの絵本『クマのプーさん』を通して、老荘思想の一端を理解しようという面白い試みのもとに書かれた本である。 1998年に出版された本だが、以降日本では、2011年にPHP文庫から『くまのプーさん しあわせに気づく言葉』が、2012…

大切な人の命を守るための一冊! - 「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!(メタモル出版)NATROM

amazonで在庫切れになるほど話題だったこの本。やっと入荷していたので、すぐに買って読みました。 著者であるNATROMさんは内科医です。その知識と経験を生かしブログ等で情報を発信しつづけています。テーマは主に「ニセ医学」について。理論的で説得力のあ…

読後の爽快感がやみつきに。 - ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)池井戸 潤

2014年春にTBSでドラマ化された「ルーズヴェルト・ゲーム」。 弱小の社会人野球チームを舞台とした、男たちの汗と涙の熱いストーリーです。 作者は池井戸潤氏。 彼の名前が広く世に知られるようになったのは「半沢直樹」でしょう。この「半沢直樹」シリーズ…

映画化決定!繊細な青春ラブストーリー - ホットロード 1 (集英社文庫―コミック版)紡木 たく

80年代に大ヒットした少女漫画「ホットロード」。 あまちゃんの主人公で大ブレイクした能年玲奈が主演だというので、原作を読んでみることにしました。 物語は万引きのシーンから始まります。かなりパンチの効いたストーリーだということがここで伝わり、身…

それでも吸いたくなる時 - 読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー(ロングセラーズ)アレン・カー

これまでに何十回と禁煙を試みてきました。3日と続かないことが多いのですが、2度、長い禁煙をしています。1度目は半年。2度目は7年半で、現在も続いています。その2度とも「禁煙セラピー」を読んでのことでした。 とはいえ、1度目の禁煙は地獄でした。 半年…