読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

スタンプが景品に変わるまで - 本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)穂村 弘

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)

水泳、バスケ、空手、ラグビー、ダンス
思い返せば、小学校入学から大学を卒業するまで、途切れること無く何かしらの運動をしていた。
そのおかげで、学生時代はたいへん引き締まった体をしていた。
大学を卒業してから全く運動をしなくなったが、しばらくは宴会などで脱いでも恥ずかしくない肉体を維持できていた。
脇腹の肉が気になり出したのは数年前からだ。

ジョギング、ウォーキング、サイクリング、筋トレetc
脇腹の肉が気になり出してから、様々な運動を試みては頓挫してきた。
スタンプカードを自作してみたりもした。
ジョギングをしたら1個押す、筋トレを1セットしたら1個押す。カードいっぱいになったら何か好きなものを買ってよい。
というものだが、そんなルールはいとも簡単に破れる。
ひとりでやっていることだから、スタンプがたまっていようがいまいが、買ってしまえばいい。
「スタンプたまってないから買ったらあかん」なんて誰も怒ってくれない。

今はジョギングでも、ウォーキングでも、サイクリングでも、筋トレでもなく、ももあげをやっている。
ふとももを腰の高さ、地面と平行になるまで交互に上げる。それを繰り返す。
インターネットで、それが抜群に効果があるという記事を見たのだが、果たしてこれも続くのか不安だ。

「カロリー計算をして食べ物に気をつけて、毎晩一時間ずつ歩いてたんだ。でも全然体重が変わらなくて変だなーと思ったけど、そのまましばらく続けてたら、三ヶ月を過ぎたあたりで急にするすると落ち始めて、一週間位で学生時代の体重に戻ったよ」
それを聞いて私はとても驚いた。体重が突然落ち始めたことにではない。まったく効果が現れないことを三ヶ月も淡々と続けたセンスに驚いたのだ。
「え、だって何かがうまくいくときはそういうものだろう?」と穏やかに笑っている友人を、じっとみつめてしまう。こいつがダイエットを続けられたのは「努力」や「根性」のせいではない、と思う。進んでいる方向が概ね正しいこと、そして成果はある日突然現れることを感じ取る「センス」の問題なんだ。 

ももあげに関して、進んでいる方向は概ね正しいと思っている。

脂肪を落とすには基礎代謝を上げる必要がある

筋肉が増えれば基礎代謝が上がる

人間の体で筋肉が多いのは下半身である

下半身を鍛えるのが効率がよい

あとは成果がある日突然現れるまで続けることだ。

世界のどこかにみえないスタンプ帳があって、我々の発言や行動のひとつひとつによって、自分でも気づかないうちにスタンプが押されてゆく。ひとつふたつ押されても、しばらくはなんの変化もない。だが、予め決められた個数がたまったところで、スタンプは景品に変わるのである。例えば、ダイエットの場合なら急に体重が落ち始める。

ジョギング、ウォーキング、サイクリング、筋トレは文字どおり数個しかスタンプを押せていない。

ももあげは、景品に変わるまで続けられるだろうか。

いつか成果が出る、概ね進んでいる方向は正しい、とこれだけ思っているのに、続けられない気がしているのはなぜだろう。

 

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)