読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

ガイアの夜明け:『未来へ翔けろ』と『不屈の100人』

ガイアの夜明け」というテレビ番組をご存じでしょうか。
関東ならテレビ東京、関西ならテレビ大阪で毎週火曜日22時から放送されている経済ドキュメンタリーです。

毎回、ビジネスの現場に密着し、業界の裏側や社員の奮闘ぶりをリアルに伝えています。
そんな番組から生まれた本を2冊ご紹介します。

ガイアの夜明け『未来へ翔けろ』

 2005年7月から2006年6月までに放送された全51話の中から、注目度の高い20話をピックアップして書籍化したもの。

ガイアの夜明け『不屈の100人』

2005年1月から2007年2月までに放送した全111話から100話を抜粋し、キーパーソンが放った名言にスポットを当てたもの。

今回、「不屈の100人」に収められた1話を取り上げてみます。

第5章「誇り」より
カルロス・ゴーンに『君たちの真の実力を見せてくれ』と言われた」

経営危機に喘いでいた日産自動車をV字回復させた、カルロス・ゴーン社長。
その企業再生の極意は、“人”の力を引き出すことにある。そのための方策のひとつが「CFT=クロス・ファンクショナル・チーム」だ。CFTとは、部署(=ファンクション)を越えて(=クロス)メンバーが集まり、共通のテーマについて改革案をつくり上げるチームのことだ。

ゴーンさんは、日産にやってきた直後に9つのCFTを立ち上げた。与えたテーマは「事業の発展」「購買」「製造・物流」「研究開発」「マーケティング・販売」「一般管理費」「財務コスト」「車種削減」「組織と意思決定プロセス」という具体的なもの。日産の抱える問題点を具体的に洗い出し、改善や強化すべき点を明確にするのが使命だ。

(中略)

「当時の日産は、非常に部署意識が強かった。だからメンバーも自分の部署の事情ばかり主張して、けんか腰になることもあった」。縦割りのセクショナリズムが部署間に高い壁をつくってしまっていて、それが会社全体にマイナスに働きかねない状態だったのだ。

それを変えたのは、ゴーンさんの一言だった。

『君たち社員がつくる再建案こそ、日産を復活させるんだ。君たちの真の実力を見せてくれ』
 
メンバーたちはその日から、部署の代表としてではなくチームの一員として改革案づくりに取り組んだ。「部署間の論争をやっている場合ではない。日産の再生をかけた改革案をつくるという大きな使命を負っているんだ」。

こうして生まれた改革案は中期経営計画「日産リバイバルプラン」としてまとめられ、1999年10月に発表された。このリバイバルプランが、日産のV字回復を導く原動力となったのだ。

どうすれば良い結果につながるか。そのヒントがここに凝縮されているような気がします。