読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

課長になったのに - そうか、君は課長になったのか。 (WAVE出版)佐々木常夫

そうか、君は課長になったのか。

次の人事で課長になると思っていた。なれなかった。主任になった。
課長になれば買おうと思っていた本がある。「そうか、君は課長になったのか」だ。
確実に課長になるものだと思っていたので、この本も確実に買うものだと思っていた。
課長にはなれなかったが、その買うテンションを抑えられず、買った。

読み進めていくが、どうも入り込めなかった。課長ではなく主任だから入り込めないのだ、きっと。
読むのをやめた。

その次の人事で課長になった。「そうか、君は課長になったのか」を再び読みはじめた。
今回も、どうも入り込めなかった。主任ではなく課長なのに入り込めなかった。
読むのをやめた。

いつの人事になるかわからないが、部長になった時もう一度読んでみようと思う。

課長時代に、病に倒れた妻と自閉症の長男を守りながら、部下をまとめ上げ、数々の事業を成功させた「上司力」の真髄。

 

そうか、君は課長になったのか。

そうか、君は課長になったのか。

 

 

絶対買おう - 俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)三谷 幸喜

俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)

いつか買いたいなと思って、本屋に寄るたびに探していた。
Amazonで買えばいいんだけど、一度ぱらっと立ち読みぐらいしてから買いたい。
なかなか置いている本屋はないだろうと踏んでいたけど、本当になかなかない。
京阪モール紀伊国屋書店で見つけたときは、どうせないだろうと思っていただけに二度見した。

念願の本を立ち読みする。
数行を読み、“これは面白いな。絶対買おう”と思った。
もうちょっと立ち読みしたらレジに持って行こう。
さらに数ページ読み、“めちゃめちゃ面白いがな。絶対買おう”と思った。
ページをめくる手が止まらない。おもしろい。次のページ、次のページとずんずん読み進めた。
全部読んだ。本当にめちゃめちゃ面白かった。

“今度、絶対買おう”と思った。

 

俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)

俺はその夜多くのことを学んだ (幻冬舎文庫)

 

 

声がでかいだけで出世するやつもいれば、その逆もある。 - ナガオカケンメイの考え (新潮文庫)ナガオカ ケンメイ

ナガオカケンメイの考え (新潮文庫)

川合俊一の話。
日本代表の補欠メンバーだった彼は、ある試合で、怪我をしたエース選手の交代で出場した。
川合俊一はとにかく声を出そうと、あまり何もしてないのに「ヨッシャー!」などと声を張り上げていた。
エース選手のけがの手当か何かで試合の様子をちゃんと見ていなかった監督は、その「ヨッシャー!」を何度も聞き、やけに川合俊一が活躍していると勘違いした。
それ以降、川合俊一がスタメンとして起用されるようになったらしい。

声がでかいだけで出世するやつもいれば、その逆もある。

僕は、声が小さいと言われる。人前で話す機会を与えられるたび言われる。

声が大きいくせにしょうもないことを言っている人はきらいだった。

しかし、もしかしたら僕は小さい声でしょうもないことを言っているかもしれない。
どうせ言っていることがしょうもないなら大きな声の方がいい。
せっかく耳を澄ませたのにしょうもなかったのでは、聞いてくれた人が気の毒すぎる。
リアクションにも困ってしまうだろう。

僕の声が小さくなるのは、自分の考えに自信のない時だ。
かといって、自信のないときでも大きな声を出す練習をするのは違う。
大きな声で話しても恥ずかしくない、自信のある考えも持てるよう練習をしよう。

 

ナガオカケンメイの考え (新潮文庫)

ナガオカケンメイの考え (新潮文庫)

 

 

スタンプが景品に変わるまで - 本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)穂村 弘

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)

水泳、バスケ、空手、ラグビー、ダンス
思い返せば、小学校入学から大学を卒業するまで、途切れること無く何かしらの運動をしていた。
そのおかげで、学生時代はたいへん引き締まった体をしていた。
大学を卒業してから全く運動をしなくなったが、しばらくは宴会などで脱いでも恥ずかしくない肉体を維持できていた。
脇腹の肉が気になり出したのは数年前からだ。

ジョギング、ウォーキング、サイクリング、筋トレetc
脇腹の肉が気になり出してから、様々な運動を試みては頓挫してきた。
スタンプカードを自作してみたりもした。
ジョギングをしたら1個押す、筋トレを1セットしたら1個押す。カードいっぱいになったら何か好きなものを買ってよい。
というものだが、そんなルールはいとも簡単に破れる。
ひとりでやっていることだから、スタンプがたまっていようがいまいが、買ってしまえばいい。
「スタンプたまってないから買ったらあかん」なんて誰も怒ってくれない。

今はジョギングでも、ウォーキングでも、サイクリングでも、筋トレでもなく、ももあげをやっている。
ふとももを腰の高さ、地面と平行になるまで交互に上げる。それを繰り返す。
インターネットで、それが抜群に効果があるという記事を見たのだが、果たしてこれも続くのか不安だ。

「カロリー計算をして食べ物に気をつけて、毎晩一時間ずつ歩いてたんだ。でも全然体重が変わらなくて変だなーと思ったけど、そのまましばらく続けてたら、三ヶ月を過ぎたあたりで急にするすると落ち始めて、一週間位で学生時代の体重に戻ったよ」
それを聞いて私はとても驚いた。体重が突然落ち始めたことにではない。まったく効果が現れないことを三ヶ月も淡々と続けたセンスに驚いたのだ。
「え、だって何かがうまくいくときはそういうものだろう?」と穏やかに笑っている友人を、じっとみつめてしまう。こいつがダイエットを続けられたのは「努力」や「根性」のせいではない、と思う。進んでいる方向が概ね正しいこと、そして成果はある日突然現れることを感じ取る「センス」の問題なんだ。 

ももあげに関して、進んでいる方向は概ね正しいと思っている。

脂肪を落とすには基礎代謝を上げる必要がある

筋肉が増えれば基礎代謝が上がる

人間の体で筋肉が多いのは下半身である

下半身を鍛えるのが効率がよい

あとは成果がある日突然現れるまで続けることだ。

世界のどこかにみえないスタンプ帳があって、我々の発言や行動のひとつひとつによって、自分でも気づかないうちにスタンプが押されてゆく。ひとつふたつ押されても、しばらくはなんの変化もない。だが、予め決められた個数がたまったところで、スタンプは景品に変わるのである。例えば、ダイエットの場合なら急に体重が落ち始める。

ジョギング、ウォーキング、サイクリング、筋トレは文字どおり数個しかスタンプを押せていない。

ももあげは、景品に変わるまで続けられるだろうか。

いつか成果が出る、概ね進んでいる方向は正しい、とこれだけ思っているのに、続けられない気がしているのはなぜだろう。

 

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)

本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)

 

 

僕のしごと - 国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」(日本経済新聞出版社)岩谷 誠治

国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」

仕事、約束、会計。この三位一体を一冊で学べる本書は、まさに「国語算数理科社会」の「社会」をおきかえる教科書となりうる。本書の内容を、小学校で教えて欲しい。中途半端に英語を教えるよりはずっと簡単で、そして得るものは大きいのだから。
(仕事、約束、会計。 - 書評 – 国語算数理科しごと/404 Blog Not Found)

お父さんが娘に「仕事」とは何かを教えるという設定で書かれた本。お父さんは、仕事とは約束を守ることであり、それを実現するために考えられた仕組みが会計なのだと語る。本書はわずか150ページ、イラストも豊富に掲載されていて、一見子ども向けの学習書の体を取っているが、内容の密度はすさまじい。バランスシートの意義や、損益計算書との関連性がこれ以上にないほど明解に描かれている。会計を理解するためにまず読みたい1冊。
(弾言 成功する人生とバランスシートの使い方/小飼弾

仕事とは、「約束を守ること」。
(空気を読むな、本を読め。 小飼弾の頭が強くなる読書法/小飼弾

僕の仕事は、ホームページを作ることではない。
ホームページを作ることによって、利益を上げることだ。

僕の肩書きはウェブデザイナー
ウェブデザイナーだから、ホームページを作っているのではない。
僕が「お金を稼ぐ」ための手段として選んだのが、ホームページを作ることなのだ。
だから、他の人たちよりもホームページを作ることが得意でないといけないし、それによって、他の何をするよりもお金を生み出さないといけない。

 

国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」

国語 算数 理科 しごと―子どもと話そう「働くことの意味と価値」

 

 

一流に触れる - 達人に訊け! (新潮文庫)ビートたけし

達人に訊け! (新潮文庫)

僕は普段、社内のパソコンの前に座って作業をしている。
デスクワーク。人と話したりする機会は少ない。

だからこんな風に、“すごい人”の考え方を、本ででも得られるのはとても貴重なことのように思う。

ビートたけしとその道のプロ。
活躍の場は違えど、一流同士。
同じレベルで話が通じ合っている。

■ 僕らはみんな虫なんだ
虫の達人 奥本大三郎

・たけし
だいたい人間が想像できるような組織の作り方や戦争の仕方まで、
すべて既に昆虫はやってるんですね。

・奥本
人間の思いつくようなことは大体あります。
むしろ、人間の科学が進んできて、虫がやっていることの意味がようやく少し分かってきたと言ったほうが正確ですね。

■ 「勝つ」って虚しいことなんです
麻雀の達人 桜井章一

・たけし
将棋の羽生さんも将棋は絵だと言っていましたよ。
自分に合う絵なら勝てるけど、調子の悪い絵は劣勢だから、自分にとってのいい絵にしていこうとすると、やっぱり絵なんだね。
漫才でも、頭の中に絵がない奴はだめ。
言葉でやろうとしても面白くないんだ。
自分の中で、面白い絵があればワーッとしゃべっていけるけど、
絵がなくて言葉が優先すると、何をやっていいかわからないことが多いね。

■ 数学者は美しいのがお好き
数学の達人 藤原正彦

・たけし
「映画における因数分解」と言っているんです。
aという殺し屋がxとyとzを殺すという話を式にすると、ax+ay+azという式で表せる。
この場合は、映像的にはaがxを拳銃で撃つと、次のシーンではaがyを撃って、
また次にはaがzを撃つ。
近代映画における因数分解は、aが拳銃を持って、ただ歩くだけ。
次のシーンで、x、y、zの死体を順番に見せる。
それでaが3人を殺したってわかる。
つまり、a(x+y+z)となるわけ。
それが因数分解的な映画表現。

■ 不潔だから健康なんだ
寄生虫の達人 藤田紘一郎

・藤田
何でこんなに抗菌グッズが流行っているかというと、「きれい」のほうが商売になるからです。

■ 女性は香りで男を選ぶ
香りの達人 中村祥二

・アラミスはいい香りですね。
あれは「レザー・タバコ」という特徴のある香りで、専門的にはシプレータイプの香りです
(シプレーは香水の名。この種のタイプを代表する総称として使用されるようになった)。
アラミスは場合によっては、女性がカジュアルな服装の時にちょっとつけるのも素敵ですね。

■ 真似できないものを作れなきゃ
金型プレスの達人 岡野雅行

・岡野
「おまえね、女性歌手でも顔がいい、スタイルがいいというだけで紅白出られるとは限らないんだよ。インチキな女ほど出ちゃう。それと同じで、この業界も、頭がよくて腕がよくても、成功するとは限らない。だから、やめたほうがいいんじゃないか」
と言ったんだけど、それでも
「是非、やらせてくれ」
って言うんで、
「それじゃあ、やりなさいよ」って。

***

あとがきにはこうあった。

今の時代、何をやっていいのか分からない人や、自分の仕事のおもしろさに気づかないで終わってしまう人がたくさんいるのに、この人たちは、自分が本当に好きなことを見つけて、なおかつその楽しさを発見できた。だから徹夜なんかもいくらしたって平気で、とことん夢中にもなれる。そういう自分の転職に気づく、本当の運があった人たちなんだね。

やりたいことがあるなら、まずそのやりたいハシゴに届く位置まで、とにかく一所懸命に上るしかない。

あらゆる方法を使って晴れ舞台に上がる努力をして、それでなおかつ成功を収めて、
はじめて「達人」なんだ。大変なことだよ。

 

達人に訊け! (新潮文庫)

達人に訊け! (新潮文庫)

 

 

今をいきる - 新・片づけ術「断捨離」(マガジンハウス)やました ひでこ

新・片づけ術「断捨離」

時間軸は今。
主役はモノではなく、自分。

過去の思い出にすがることも、来るかもわからない未来のためにストックすることも、馬鹿馬鹿しい。

とりあえず、いつか使おうと思って置いていた、頂き物の食器を使うことから始めよう。

 

新・片づけ術「断捨離」

新・片づけ術「断捨離」