読んだ本について僕の語ること

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大切な人の命を守るための一冊! - 「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!(メタモル出版)NATROM

「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

 

amazonで在庫切れになるほど話題だったこの本。やっと入荷していたので、すぐに買って読みました。

著者であるNATROMさんは内科医です。その知識と経験を生かしブログ等で情報を発信しつづけています。テーマは主に「ニセ医学」について。理論的で説得力のある文章にはファンが多くいます。

この本の本のテーマも同じく「ニセ医学」についての反論をまとめたものです。
「ニセ医学」とは、科学的・医学的な根拠がないにも関わらずちまたに広まってしまった代替療法や健康法のことです。

様々な文献や理論をもとにわかりやすく間違いを指摘しています。

なにか体に不調があると、自分の生活サイクルや食生活を見直して改善に努めますよね。

そんなときには、テレビや雑誌などの「健康特集」をもとに行動する、という人も多いでしょう。

しかし実は、ちまたに溢れるそうした健康に関する情報には「科学的根拠」が薄いものも多々あるのです。

「テレビでやっていたから本当だろう」「薬は飲みたくないからこの民間療法をやろう」・・・と、いわゆる「ニセ医学」を信じるあまりにさらに病気に苦しむことになれば、後悔してもしきれません。

医学というものは専門の知識がないとなかなかとっつきにくい部分があります。

しかし本著は専門的になりすぎない程度の内容で、なおかつ読みやすい言葉で書かれていますから、すんなりと読み進めることができました。

医学の中でも特に「癌」や「出産」に関しては、医学的な根拠を抜きにして考えてしまう事項も多いような気がします。

人は生き死にに直面する事態に陥ったときに、よりよい方向へ向かおうと必死にもがくのでしょう。

そのとき、目の前にいわゆる「ニセ医学」があっても、その真偽を確かめる余裕が持てるでしょうか。

私には自信がありません。

今を生きるうえで必要なのは、家族や自分の命を守るため情報を取捨選択できる「リテラシー」を身につけること。

けして頭ごなしではない論調に、沢山の知恵と勇気をもらえたような気がする一冊です。

 

「ニセ医学」に騙されないために   危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!