読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

2014-01-01から1年間の記事一覧

だいたい同じ - 大泉エッセイ ~僕が綴った16年 (ダ・ヴィンチブックス)大泉 洋

東京出張の前日、僕は本屋にいた。新幹線での移動中に読む本を探すためだ。前々から気になっていた本を立ち読みしてみるが、イマイチしっくり来ない。仕方なしにしっくり来ない本のどれかを買うしかないか、と諦めかけたとき、「大泉エッセイ」を見つけた。 …

ブック・オブ・ジ・イヤー2009 - 邂逅の森 (文春文庫)熊谷 達也

年間400冊読む、という人から紹介いただいた。2009年の年末のことだ。その年に読んだ本で、一番良かった、とのこと。 早速、本屋に行き、立ち読みをした。少し難しそうに感じた。僕に読めるだろうか、と思った。せっかく紹介してもらったのだし、読めなかっ…

数学の教師は教え方がへたくそ - 数学入門〈上〉 (岩波新書) 遠山 啓

数学入門〈上〉 (岩波新書) 学生時代、数学が苦手だった。今更ではあるが、もう一度ちゃんと数学を勉強してみようか、気持ちが起こっり、「数学入門〈上〉」を買った。 めちゃくちゃわかりやすくて、グイグイ読み進めた。数学が苦手だったのは、先生の説明が…

商売の入門書 - トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ (中経の文庫) 石原 明

著者は経営コンサルタントで、商品、価格、顧客などの事業戦略から組織論、経営哲学にいたるまで、企業の活動に関する幅広いテーマについてアドバイスしている本です。 文章が簡単で分かりやすい上、ひとつのテーマについて2~3ページ程度で区切られているの…

会議って必要? - 脱会議 今日からできる! 仕事革命(日経BP社)横山信弘

タイトルからも想像できると思いますが、「無駄な会議をなくして、時間とエネルギーを有意義に使いましょう」という内容です。 「日本の会社は会議が好きだ」と昔から言われてきましたが、変化の速いこれからの時代、会社の貴重なリソースを無駄な会議に費や…

“そもそも”論 - 巨象も踊る(日本経済新聞社)ルイス・V・ガースナー

著者は、1993年から2002年までIBMのCEOを務めたルイス・ガースナーという人。就任当時、経営破綻の崖っぷちにあったIBMを数年でV字回復させ、アメリカを代表する経営者として名を馳せた人です。 この本は、著者がCEO就任から再建までの道のりを綴った回顧録…

牛丼を食べるたびに考えてしまいます - 吉野家 安部修仁 逆境の経営学(日経BP社)戸田 顕司

全国どこでも見かける牛丼の吉野家ですが、実は過去2度にわたって倒産の危機を乗り越えてきました。 一度目は1980年。急激な拡大が裏目に出て業績が悪化し、会社更生法の適用を申請。セゾングループの支援によって危機を脱しました。 そして二度目は、BSE問…

「経営」って意外とシンプル? - 稲盛和夫の経営塾 Q&A高収益企業のつくり方 (日経ビジネス人文庫)稲盛 和夫

京セラや第二電電(現・KDDI)を創業し、最近ではJALの再建でも名を馳せた稲盛さんが、企業の収益性を高める方法について語っている本です。 本の中身は、若手経営者からの様々な悩み相談に対し、稲盛さんがアドバイスする形で構成されています。どのアドバ…

店はお客様のためにある - ユナイテッドアローズ 心に響くサービス(日経ビジネス人文庫)丸木 伊参

ユナイテッドアローズ(以下UA)は、1989年にビームスの幹部たちが独立して創業。ハイクオリティなセレクトショップとして急成長を遂げ、創業から10年で25億円の経常利益を生み出す企業になりました。その後も成長を続け、2013年3月期の連結決算では経常利益…

退路を断つ - V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)三枝 匡

著者は三枝匡という経営コンサルタント。 本の内容は、ある架空の企業が経営危機から回復するまでを物語にしたフィクションなのですが、そのストーリーは著者が手がけてきた経営支援や企業再生の実体験に基づいているので、なかなかのリアリティがあります。…

漱石批判 - 文鳥・夢十夜 (新潮文庫)夏目 漱石

文鳥 “飼っている文鳥に餌をやらずに死なせてしまうが、家の人のせいにする話” というあらすじを聞いて、これは面白そうだ、と読んだ。 ところが、面白くなかった。 なんじゃそりゃ!しょーもな! と思った。 夢十夜 “これだけは読んどけ”みたいな小説として…

プールで泳ぎたい - イン・ザ・プール (文春文庫)奥田 英朗

「イン・ザ・プール」を読んだ。 めちゃくちゃ面白かったので「イン・ザ・プール」を読んでいる途中で、続編の「空中ブランコ」を買った。 「イン・ザ・プール」を読み終えるやいなや、「空中ブランコ」を一気に読んだ。「空中ブランコ」もとても面白かった…

付け焼刃 - ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi (小学館) 穂村 弘

大阪に雪が降った。 積もる勢いの本格的な雪だった。 街には傘をさす人とささない人は半々くらいで、それぞれの傘と肩にはうっすらと雪がのっていた。傘をさすのかささないのか、みんな雪に慣れていないから戸惑っているのだろう。 明日の朝起きて積もってい…

沖田派 - 燃えよ剣(新潮社)司馬 遼太郎

好きな歴史上の人物は誰か 入社間もない頃、同期3人で社長室へ。 「これから頑張りたまえ」社長からの激励の後、「好きな歴史上の人物は誰か?」という話題に。 まず僕が「千利休です」、同期二人が「織田信長です」「坂本龍馬です」と答えた。 社長は「土方…

淡々とドライすぎず甘すぎず深くやさしく幸福な詩 - プーさんの鼻 (文春文庫) 俵 万智

半分くらい読んだ。 最後まで読んだら、もう一度読み返そうと思っている。 俵万智といえばサラダ記念日だが、それよりも甘ったるくなくて、良い。 淡々と読まれた詩は、深く静かで優しく、幸福感が伝わる。 生まれてくる息子に詠んだもの、結婚する弟に詠ん…

これが日本のおもてなし - 英国一家、日本を食べる(亜紀書房)マイケル・ブース

マイケル・ブースという英国に住むフードジャーナリストが100日間に渡って日本全国を駆け巡り、いろいろな日本食を食べ歩くエッセイです。 庶民が行けないような高級会席料理からお好み焼きなどのジャンクフードまであらゆる日本食を食べまわっていて、食べ…

めちゃくちゃ変なやつだけど - 二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫) 古川 日出男

リズム感いっぱいの歯切れの良い文章でぐいぐいと物語に引き込まれた。 登場するすべての人はクセが強く個性的。めちゃくちゃ変なやつだけど、どこか憎めなくて魅力的にさえ思う。 特に包丁を振り回す女子高生料理人は、実際にいたら恋をしてしまいそうだ。 …

その薬は本当に必要ですか? - 医者に殺されない47の心得 医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法(アスコム)近藤 誠

挑発的なタイトルと「病院に行く前に、かならず読んでください」のキャッチコピーに惹かれ書店で手にとった本書。 子供が生まれてからは、自分の以外の人間の命を守る責任というものを初めて実感し、医療や食事などに関する本やネット上の記事を読みあさる日…

さくらももこならでは - さるのこしかけ(集英社文庫) さくら ももこ

ベートーベン「運命」のメロディとともに肛門を襲った強烈な痔を完治させた、驚きのドクダミ療法。台風直撃、さらに食中毒にも直撃された台湾旅行。そして、「ノー・プロブレム」な国民性に振り回された、初めてのインド…。日本中をわかせた、あの爆笑エッセ…

“真似”は大事 - ヤバいぜっ! デジタル日本 ―ハイブリッド・スタイルのススメ (集英社新書)高城 剛

“ハイパーメディアクリエイター”で有名な高城剛氏の「ヤバいぜっ!デジタル日本 ハイブリッド・スタイルのススメ」という本があります。 正直、この人が何をしている人かよく知らないのですが、本の内容は色々な示唆に富んでいて面白いです。ざっくり言うと…

七色いんこ? - 考具 ―考えるための道具、持っていますか?(阪急コミュニケーションズ)加藤 昌治

「工具」ならぬ「考具」という本を読みました。 ざっくり言うと、博報堂でプランナーっぽいことをしている人が、 アイデアや企画を生み出すコツを教えてくれる本です。 日常生活の中でアイデアの種を発見する方法や、思いついた企画を 展開させるためのテク…

オグルヴィ&メイザー - ある広告人の告白(海と月社)デイヴィッド・オグルヴィ

世界120か国で事業を展開する広告会社「オグルヴィ&メイザー・ワールドワイド」の創業者であるデイヴィッド・オグルヴィが、自身の経営哲学や広告理論・手法について記した「ある広告人の告白」。 書かれたのは1960年代ですが、現代の広告ビジネスでも必要…

仕事はすべて“自分事”に - 成功のコンセプト(幻冬舎)三木谷 浩史

楽天の創業者、三木谷浩史著「成功のコンセプト」という本をご紹介します。 題名から分かる通り、三木谷さん自身の仕事に対する姿勢、哲学、ノウハウが紹介されている本なのですが、目次を見ると… ・ 「常に改善、常に前進」 ・ 「プロフェッショナリズムの…

顧客に密着 - 月100万円のキャッシュが残る「10の利益モデル」(DO BOOKS) 丸山 学

「月100万円のキャッシュが残る『10の利益モデル』」という本を読みました。 企業が利益を上げるための方法を10のモデルに分け、非常に分かりやすく解説してくれている本です。 この本のP154~「顧客密着型利益モデル」の章に印象的な言葉がありました。 顧…

分からないことは聞こう - リクルートのDNA―起業家精神とは何か(角川oneテーマ21)江副 浩正

リクルートの企業風土や経営哲学、創業からの歴史などについて、創業者の江副浩正氏が記した「リクルートのDNA」という本があります。 江副氏が残した名言といえば、やはりこちらでしょうか。 「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」 人も社会も…

課題を見極めるには? - イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」(英治出版)安宅和人

「イシューからはじめよ」という本を紹介します。 著者の「ヤフー株式会社 COO室室長」という肩書きに惹かれて何となく手にとってみたのですが、実に深い一冊でした。 簡単にはまとめられない本ですが、無理やりまとめると「本当に解決すべき問題・課題をち…