読んだ本について僕の語ること

読んだ本について僕の語る書評ブログです。読書を通じて勉強になったこと、腑に落ちたこと、思い出したこと、エピソード、連想されるもの、感想を書いています。

お金の奴隷にならないために - 年収200万円からの貯金生活宣言(ディスカヴァー・トゥエンティワン)横山 光昭

「もう少しお金があればなあ」。そんなことは誰もが一度は持つ考えだ。しかし、急に収入が上がるわけはなく、今日もいつものように通帳の残高とにらめっこする日々。 『年収200万円からの貯金生活宣言』は、収入が少なくても貯金ができる方法が書かれている…

1975年~少年たちが見た熱い夏 - 赤ヘル1975(講談社)重松 清

赤いヘルメットにCのマーク。赤ヘルといえば広島カープの愛称である。 鯉の季節は5月まで。毎年そんな風に例えられるように、4月5月は調子が良いが、次第に降下し、安定の5位前後のポジションでシーズンを終えるというのが常だ。 最後に広島が優勝したのは1…

500円から始まる芸人のストーリー - メリーランド(講談社)畑野 智美

畑野智美が描く、「南部芸能事務所」シリーズの第2弾であるこの「メリーランド」。この作品から読んでも問題なく楽しめますが、出来れば1弾から読むことをお勧めします。 南部芸能事務所に所属する芸人が、己の未来に試行錯誤しながら歩んでいく、というスト…

朝ドラ『花子とアン』をより楽しむための原案本 - アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)村岡 恵理

朝の連続テレビ小説『花子とアン』が大好きなので、原案となった本が読みたくなり購入しました。 この本には『赤毛のアン』の翻訳者である村岡花子の生涯が、孫である村岡恵理さんによって丁寧に描かれています。 貧しい農村で生まれ育った花子が、その類ま…

読むだけで女性同士のイライラが解消される! - 女子の人間関係(サンクチュアリ出版)水島広子

女性同士の付き合いは面倒くさいことばかりです。女性の中の「女」の部分は嫉妬深く人の足を引っ張ろうとし、本音と建前をコロコロと使い分け、群れて他のグループを見下し始めます。本文では「女の嫌な部分を「女」とカッコつきの「女」と書くことにします…

毎日が一つ一つの積み重ね - ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく(ダイヤモンド社)堀江 貴文

2014年上半期、トーハンビジネス書部門売上2位に選ばれたこの作品は、世間で思われている堀江氏……つまりホリエモンのイメージをがらりと変えた小説となっている。 メディアに映る彼は慇懃無礼であり、苦労知らずで上手に世の中を渡ってきたようなイメージだ…

おっさんも3匹寄れば… - 三匹のおっさん (文春文庫)有川 浩

今年、2014年の1月からドラマ化された事でも有名な三匹のおっさんは、アラ還というおっさんのなかでもおっさんな世代が巻き起こす痛快な事件の数々を記した小説である。 「ジジイと呼ぶな、おっさんと呼べ」と語る三人は、定年を迎え、自らの場所を探すべく…

プライドのしのぎ合い - 震度0 (朝日文庫 よ 15-1)横山 秀夫

阪神大震災の前日のN県警警務課長失踪に端を発する、警察庁キャリアと地元ノンキャリアとの意地の張り合いが、ストーリーの緊張感を生む。お互いに踏み込まれたくない領分がある。出世のために、地方警察勤務時代の失点を防ぎたい警察庁キャリアと、現場の捜…

自分で選ぶ - 本当はちがうんだ日記 (集英社文庫)穂村 弘

2013年、ピースの又吉直樹にはまった。YOUTUBEで又吉が出演している動画を探し、ウェブコラム「確かにお前は大器晩成やけど!! - キネマ旬報社」も其ノ一まで遡って読んだ。 きっかけは又吉直樹著「第2図書係補佐」だ。大の読書好きである又吉が、今まで読…

まんざら - 四十一番の少年 (文春文庫)井上 ひさし

10歳のとき、両親が離婚した。 それからすぐに僕と母親は不動産屋を回り、家を探しはじめた。ある不動産屋が、しつこく母親を食事に誘った。僕は、すごく嫌だった。なんとなく母親がまんざらでもなさそうな感じを出しているのも嫌だった。「ぜったい行かんと…

行動3 - 病気になりたくなければふくらはぎを温めなさい (講談社プラスアルファ文庫)関 博和

本屋さんで「病気になりたくなければふくらはぎを温めなさい」という本を見かけた。 おそらく、ふくらはぎを温めると病気にならないよ、ということが書かれているのだろう。 家に帰って、一心不乱にふくらはぎを温めた。 病気になりたくなければふくらはぎを…

行動2 - 1日1分てのひらをもみなさい (リンダブックス)足利 仁

本屋さんで「1日1分てのひらをもみなさい」という本を見かけた。 おそらく、1日1分てのひらをもむと健康にいいよ、ということが書かれているのだろう。 家に帰って、一心不乱にてのひらをもんだ。 1日1分てのひらをもみなさい (リンダブックス) 作者: 足利仁…

行動 - 長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい (健康プレミアムシリーズ)槙孝子

本屋さんで「長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい」という本を見かけた。 おそらく、ふくらはぎをもむと長生きします、ということが書かれているのだろう。 家に帰って、一心不乱にふくらはぎをもんだ。 長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい 作者: …

義理 - すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)松田 公太

僕がコーヒー好きというのを知ってか知らずか、友人だったか親戚だったかが、おすすめしてくれたかプレゼントしてくれた本。 あんまり面白くなかったので読むのをすぐにやめたけど、それからはタリーズでコーヒー豆を買うようしています。 すべては一杯のコ…

シブがらず - 一握の砂・悲しき玩具―石川啄木歌集 (新潮文庫)石川 啄木

ある時、石川啄木でも読んでみようか、という気が起こった。「短歌の世界がわかるって何かシブい」と思ったのだ。 さっそく本屋で立ち読みをした。ぜんぜん面白くないと思ったので、やっぱりやめた。 それから数年たち、いま石川啄木を読んでいる。これがむ…

だいたい同じ - 大泉エッセイ ~僕が綴った16年 (ダ・ヴィンチブックス)大泉 洋

東京出張の前日、僕は本屋にいた。新幹線での移動中に読む本を探すためだ。前々から気になっていた本を立ち読みしてみるが、イマイチしっくり来ない。仕方なしにしっくり来ない本のどれかを買うしかないか、と諦めかけたとき、「大泉エッセイ」を見つけた。 …

ブック・オブ・ジ・イヤー2009 - 邂逅の森 (文春文庫)熊谷 達也

年間400冊読む、という人から紹介いただいた。2009年の年末のことだ。その年に読んだ本で、一番良かった、とのこと。 早速、本屋に行き、立ち読みをした。少し難しそうに感じた。僕に読めるだろうか、と思った。せっかく紹介してもらったのだし、読めなかっ…

数学の教師は教え方がへたくそ - 数学入門〈上〉 (岩波新書) 遠山 啓

数学入門〈上〉 (岩波新書) 学生時代、数学が苦手だった。今更ではあるが、もう一度ちゃんと数学を勉強してみようか、気持ちが起こっり、「数学入門〈上〉」を買った。 めちゃくちゃわかりやすくて、グイグイ読み進めた。数学が苦手だったのは、先生の説明が…

商売の入門書 - トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ (中経の文庫) 石原 明

著者は経営コンサルタントで、商品、価格、顧客などの事業戦略から組織論、経営哲学にいたるまで、企業の活動に関する幅広いテーマについてアドバイスしている本です。 文章が簡単で分かりやすい上、ひとつのテーマについて2~3ページ程度で区切られているの…

会議って必要? - 脱会議 今日からできる! 仕事革命(日経BP社)横山信弘

タイトルからも想像できると思いますが、「無駄な会議をなくして、時間とエネルギーを有意義に使いましょう」という内容です。 「日本の会社は会議が好きだ」と昔から言われてきましたが、変化の速いこれからの時代、会社の貴重なリソースを無駄な会議に費や…

“そもそも”論 - 巨象も踊る(日本経済新聞社)ルイス・V・ガースナー

著者は、1993年から2002年までIBMのCEOを務めたルイス・ガースナーという人。就任当時、経営破綻の崖っぷちにあったIBMを数年でV字回復させ、アメリカを代表する経営者として名を馳せた人です。 この本は、著者がCEO就任から再建までの道のりを綴った回顧録…

牛丼を食べるたびに考えてしまいます - 吉野家 安部修仁 逆境の経営学(日経BP社)戸田 顕司

全国どこでも見かける牛丼の吉野家ですが、実は過去2度にわたって倒産の危機を乗り越えてきました。 一度目は1980年。急激な拡大が裏目に出て業績が悪化し、会社更生法の適用を申請。セゾングループの支援によって危機を脱しました。 そして二度目は、BSE問…

「経営」って意外とシンプル? - 稲盛和夫の経営塾 Q&A高収益企業のつくり方 (日経ビジネス人文庫)稲盛 和夫

京セラや第二電電(現・KDDI)を創業し、最近ではJALの再建でも名を馳せた稲盛さんが、企業の収益性を高める方法について語っている本です。 本の中身は、若手経営者からの様々な悩み相談に対し、稲盛さんがアドバイスする形で構成されています。どのアドバ…

店はお客様のためにある - ユナイテッドアローズ 心に響くサービス(日経ビジネス人文庫)丸木 伊参

ユナイテッドアローズ(以下UA)は、1989年にビームスの幹部たちが独立して創業。ハイクオリティなセレクトショップとして急成長を遂げ、創業から10年で25億円の経常利益を生み出す企業になりました。その後も成長を続け、2013年3月期の連結決算では経常利益…

退路を断つ - V字回復の経営―2年で会社を変えられますか (日経ビジネス人文庫)三枝 匡

著者は三枝匡という経営コンサルタント。 本の内容は、ある架空の企業が経営危機から回復するまでを物語にしたフィクションなのですが、そのストーリーは著者が手がけてきた経営支援や企業再生の実体験に基づいているので、なかなかのリアリティがあります。…

漱石批判 - 文鳥・夢十夜 (新潮文庫)夏目 漱石

文鳥 “飼っている文鳥に餌をやらずに死なせてしまうが、家の人のせいにする話” というあらすじを聞いて、これは面白そうだ、と読んだ。 ところが、面白くなかった。 なんじゃそりゃ!しょーもな! と思った。 夢十夜 “これだけは読んどけ”みたいな小説として…

プールで泳ぎたい - イン・ザ・プール (文春文庫)奥田 英朗

「イン・ザ・プール」を読んだ。 めちゃくちゃ面白かったので「イン・ザ・プール」を読んでいる途中で、続編の「空中ブランコ」を買った。 「イン・ザ・プール」を読み終えるやいなや、「空中ブランコ」を一気に読んだ。「空中ブランコ」もとても面白かった…

付け焼刃 - ラインマーカーズ―The Best of Homura Hiroshi (小学館) 穂村 弘

大阪に雪が降った。 積もる勢いの本格的な雪だった。 街には傘をさす人とささない人は半々くらいで、それぞれの傘と肩にはうっすらと雪がのっていた。傘をさすのかささないのか、みんな雪に慣れていないから戸惑っているのだろう。 明日の朝起きて積もってい…

沖田派 - 燃えよ剣(新潮社)司馬 遼太郎

好きな歴史上の人物は誰か 入社間もない頃、同期3人で社長室へ。 「これから頑張りたまえ」社長からの激励の後、「好きな歴史上の人物は誰か?」という話題に。 まず僕が「千利休です」、同期二人が「織田信長です」「坂本龍馬です」と答えた。 社長は「土方…

淡々とドライすぎず甘すぎず深くやさしく幸福な詩 - プーさんの鼻 (文春文庫) 俵 万智

半分くらい読んだ。 最後まで読んだら、もう一度読み返そうと思っている。 俵万智といえばサラダ記念日だが、それよりも甘ったるくなくて、良い。 淡々と読まれた詩は、深く静かで優しく、幸福感が伝わる。 生まれてくる息子に詠んだもの、結婚する弟に詠ん…